現在、自分の仕事に対して「年収が低い気がする」、「自分の年収は高い方なのか、それとも低いのか分からない」と気になっている方はいませんか?仕事において、仕事内容はもちろん大切ですが、同様に「収入面」も生活や仕事へのモチベーション維持にとって重要です。
そこで今回は、「年収の低い仕事」について、判断基準や具体的な職種、特徴について解説します。合わせて、年収が低い場合の年収アップの方法についても紹介します。
まずは平均年収で比較!どれくらいの給与だと「低い年収」に該当する?
まずは、年収が高い・低いを判別する前に、日本全体の賃金について見ていきましょう。仕事別の年収を全体の賃金と比べることで、より正確にその実態が見えてきます。
国税庁の「令和2年民間給与実態統計調査」によると、日本全体の賃金は男性で532万円、女性では約293万円、男女合計の平均賃金は433万円です。
賃金は年齢や階級、賞与等によって変動するため一概には言えませんが、自身の性別の平均年収と照らし合わせこの値に届かない場合、その仕事は「年収が低い」と考えられるでしょう。
「年収が低い」傾向にある5種の仕事・業界を紹介
ここからは、年収が低い傾向にある仕事、もしくは年収が低いというイメージを持たれがちな業界や仕事について紹介します。
1,非正規雇用での仕事
仕事内容や業界に関わらず「非正規雇用」の仕事は、全体的に年収が低い傾向にあります。これは、正社員雇用に比べて、報酬面で得られる待遇が少ないのが原因です。
例えば、正規雇用は基本給の他に様々な手当が付くのに対して、非正規雇用に対して手当支給がされるケースは多くありません。また、賞与についても、正規雇用より額が少ない、もしくは賞与対象にならないこともあるでしょう。
以上の理由から、どんな職業であっても「非正規雇用」の場合は、正規雇用と比べて年収が低くなってしまうのです。
2,保育・介護士
保育・介護は、私達の生活に欠かせない「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる仕事の1つです。この仕事の年収が低いとされる理由は、保育や介護における専門性を理解されていない点にあります。
保育や介護は「誰にでもできる」というイメージが根強く、そのイメージから「給与が低くても担い手はいくらでもいる」と考える事業者もゼロではないのです。実際、介護の現場では資格が無くともできる仕事があるため、高い専門性や資格を有する仕事・業界と比べると給与が低くなってしまう傾向にあると言えます。
3,一般事務職
3つ目に紹介するのは「一般事務職」です。この仕事の年収が低い理由は、先ほども説明した非正規雇用の多さ、そして会社内での役割の違いにあります。
営業など会社の売上に影響を与える仕事に比べ、事務職に対し「会社の利益に関わらない仕事」というイメージを持つ人は少なくありません。そのため、傾向として他の職種に比べると給与が低くなってしまうのです。
また、事務職は就業時間内に仕事が終わる事が多く、残業代や休日出勤手当といった手当による給与増の見込みが少ない点も、年収が低い理由となり得ます。
4,パタンナー、縫製業界
アパレル業界には、デザイナーのアイデアを実際に服の形にするパタンナー、服を作る縫製、店舗で服を売る販売員など様々な仕事がありますが、全体の年収は決して高くはありません。これは、業界の給与水準の低さに由来しています。
アパレル業界でのビジネスパターンは、基本的に「薄利多売」であるとされています。商品の単価が低いものを沢山売らなければ利益が出ないため、仕事が多忙な割に給与が低くなってしまうのです。
このため、販売員はもちろん、利益率によっては縫製やパタンナーの年収も低い水準でとどまってしまう場合があるのです。
5,宿泊・飲食サービス業界
宿泊・飲食業界は、「サービス業」に分類されます。サービス業は全体の傾向として非正規雇用率が高いため、他の業界や分野に比べて年収が低い水準となりがちです。
また、これらの業界は「離職率の高さ」も年収に影響しています。一般的に、勤続年数が長くなればなるほど給与は高くなっていくものです。しかし宿泊・飲食業は給与が上がる前に離職してしまう人が少なくないため、結果として年収も低くなるケースが珍しくないと言えるのです。
年収が低い仕事や業界の特徴とは?
次に、「年収が低い仕事や業界」に当てはまりがちな特徴について紹介します。現在の年収と合わせて、以下の特徴に当てはまっていないかチェックしてみるのもお薦めです。
1,単純作業がメイン
難易度が高くない仕事や、単純作業のみで完結するような仕事は、給与が安くなりがちで\す。
実は、単純な作業の仕事は人気が高く、求人でも注目されがちです。そのため雇用側においては、給与面に不満を持つ人をわざわざ雇わなくとも、別の希望する人を雇えば良いという考えになりやすいと言えます。
その結果、給与が高くなくても成り立つために、給与が低いまま固定されてしまうのです。
2,専門性が低い
単純作業と同じく、専門性の低い仕事も、給与が低い傾向にあるでしょう。「誰でもできる仕事」だと労働者側、雇用者側双方が考えているためです。
例えば、専門性の高い仕事は資格の取得が欠かせなかったり、責任が重かったりと、労働者側にとってハードルが高いものです。そのため、つい「誰でもできる仕事」に惹かれてしまうこともあるでしょう。一方で雇用者側も、「誰でもできる仕事」の担い手はいくらでもいると考えがちです。
その結果、専門性の低い仕事は年収が低い水準にあると言えます。
3,業界のイメージが影響している場合も
専門的な知識や複雑な業務が必須にも関わらず低年収な仕事は、「業界全体のイメージ」が影響している可能性があります。先ほど紹介した仕事の中では、介護・保育が該当するでしょう。
これらの仕事は、専門性が高く過酷であり、責任も大きい仕事である反面、先ほども説明した通り「誰にでもできる」というイメージが根強いのです。
他にも、介護報酬や補助金といった制度も影響していますが、上記のような業界全体のイメージも一因であることは否めないでしょう。
自分の年収が低いと感じた時はどうすべき?4つの年収アップに繋がる行動を解説
ここからは、「もしかしたら自分の年収は低いのかも」と感じている方に向けて、4つの年収アップに効果的な行動を紹介します。
1.スキルアップして能力を高める
まずは、スキルアップを目指して勉強や資格の取得に取り組んでみるのがお薦めです。スキルが上がり、できることが増えれば、職場からの評価が上がり給与に影響するかもしれません。
例えば、PCスキル等現在の業務に関連する事はもちろん、もし目指したい部署や仕事があるなら、それに関連したスキルを新たに習得するのも良いでしょう。身に付けたスキルを仕事で活かせれば、給与面でも良い方向に進みやすくなります。
2.現在の職場で給与交渉をしてみる
「今の仕事を辞めずに続けたいけれど、給与が見合ってないのが不満」という場合は、会社に対して給与交渉を行うのも有効です。
中でも、同業種や同年代、同僚、同階級といった自分と変わらない条件の人達よりも給与が低い場合は、交渉が有利に進む可能性があります。
交渉の際はあくまで「給与アップ」の要求をメインにせず、自身の働きや能力、将来性を軸に給与面を相談すると良いでしょう。
3.副業を始める
もし「今の仕事を続けたいけど給与面が不安」、「本業とは別の事でお金を稼いでみたい」と考えているならば、副業を始めてみるのもお薦めです。
ハンドメイドなど趣味を活かすのも良いですし、データ入力等の単純作業や、クラウドソーシングの利用など副業の手段は多岐にわたります。自身に合った仕事を見つける事で、副業の報酬によって収入面をカバーできるでしょう。
ただし、あくまで本業に影響が出ない時間、かつ本業の就業規則を確認の上無理のない範囲で行ってください。
4.高収入の会社へ転職する
最後に、もし現在の会社や仕事に思い入れがなく、年収の低さが仕事を続けるモチベーションそのものに影響を及ぼしているようなら、より高収入の会社への転職をお薦めします。
転職によってより待遇の良い会社で働くことで、より意欲的に仕事に打ち込めるかもしれません。例えどんなにやりがいのある仕事でも、生活面に不安が募るような収入では、「この先やっていけるだろうか」という心配や「どんなに働いても疲れるだけ」と仕事そのものへのやる気を失ってしまうでしょう。
転職で収入の高い会社で働くのは、収入面の改善だけでなく、仕事に対するやる気の低下を防ぐ事にも繋がるのです。
まとめ
今回取り上げた様々な職業や業界の年収が低いのは、あくまで全体の傾向です。そのため、例え同じ仕事でも働き方や勤務年数、地位によっては平均、もしくはそれ以上の年収を得ている場合もあると留意しましょう。
現在、もし自分の仕事が該当していたり、その他の仕事であっても年収が低いと感じているならば、ぜひ今回紹介した年収アップのための行動を実践してみて下さいね。
そして、自身の年収が問題で転職の検討を含め悩んでいるならば、ぜひキャリドラの活用をお薦めします。キャリドラは、仕事に対する相談やサポートを行っています。キャリドラの利用で、現在の仕事の悩みの解消や、転職活動へのきっかけが見つかるかもしれません。